腫瘍疾患について
★ 腫瘍疾患とは…
人の死亡原因のひとつにガンがあります。とても恐ろしい病気ですが、早期発見と適切で迅速な治療で、完治したり、再発を防ぐことの出来る病気です。こうしたガンには、犬や猫も同様にかかります。今や、10歳を越える犬猫の死亡原因の50%以上を、悪性腫瘍が占めているのです。
腫瘍の中でも種類があり、その発生場所もさまざまです。皮膚、骨、眼、肺、心臓、内臓(肝臓、膵臓、腎臓など)、脳、骨髄、等いろいろです。通常は腫瘍と思われる部位を一部抜き取り、検査を行い、結果を踏まえて、手術を行います。
しかし、検査と手術という流れは麻酔を二度使うことになるため、体への負担が大きくなります。ですので、年齢や体調などさまざまな観点より、総合的に判断して当院では検査を踏まえずに手術を行う場合もあります。その場合も、術後にしっかりと病理検査を行い、結果をご報告させていただいております。
★ 代表的な腫瘍疾患
乳房に発生する腫瘍です。犬でも猫でも発生します。良性のものと悪性のものがあります。犬の乳腺腫瘍の発生には卵巣から分泌されるホルモンが関連しています。乳腺腫瘍は一部の例外を除いて外科的な切除が第一選択となります。
術後の転移のリスクを考え、検査結果によっては、片方、もしくは両側の乳腺切除術を行うことがありますが、術後の生活を考えて初期のものに関しては、疾患部の切除をしていくことが大事です。
いずれにしても腫瘍が小さいうちのほうが手術もしやすく、特に乳房にしこりがないかどうか普段から少し気にしてあげることが大切になります。
皮膚腫瘍といっても、いぼなどの良性のものから、皮膚がんのような悪性のものまでさまざまです。外科的切除が必要な場合もありますし、内科的治療を通じて経過観察していけば良いものもあります。通常、皮膚の腫瘍は発見しやすいため、しこりの発生時期、大きさ、色などが急激に変化していくようであれば注意が必要です。ご心配な場合は、しこりに気づいた時点で早期にご相談ください。早めの治療が、再発を予防する効果もあります。
★ 主な手術実績
・卵巣腫瘍 ・子宮腫瘍 ・前立腺腫瘍 ・口腔腫瘍 ・骨腫瘍 ・甲状腺摘出術 ・腸管の端々吻合 ・腸切開術
・脾臓摘出術 ・腎臓摘出 ・副腎摘出術 ・膀胱切開術 ・乳腺腫瘍の切除法 ・皮膚腫瘍切除